2009 Fiscal Year Annual Research Report
リアノジン受容体内ドメイン連関障害の是正による致死性不整脈治療法の開発
Project/Area Number |
21790726
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
奥田 真一 Yamaguchi University, 医学部附属病院, 医員 (90530212)
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Keywords | 心室性不整脈 / 興奮収縮連関 / リアノジン受容体 / カルモジュリンキナーゼ |
Research Abstract |
カテコラミン誘発性心室頻拍の一因である心筋型リアノジン受容体(RyR2)の点突然変異を内在するノックイン(KI)マウス(R2474S/+)を用いて、in vivoにおける心機能、不整脈を解析し、さらに同KIマウスの心筋より摘出した単離心筋細胞、心筋筋小胞体(SR)を用いて、RyR2内N-terminal(1-600)-Central(2000-2500)ドメイン連関を定量的に評価し、RyR2からCa2+がleak(RyR2の不安定化)する機序を解明し、カルモデュリンキナーゼ(CaMKII)リン酸化のRyR2機能に及ぼす影響を検討した。KIマウスは安静時の心機能は正常で、病理・形態的にコントロールマウス(WT)と比し異常はなかった(WT ; n=8, KI ; n=7)。また、エピネフリン負荷(n=10)またはトレッドミル運動負荷(n=6)により容易に多源性心室頻拍を生じた。さらに同KIマウスの心筋より摘出した単離心筋細胞、SRを用いRyR2内ドメイン連関を定量的に評価し、KIマウスのSRでpartialなドメイン連関障害が生じることがわかった。また、CaMKIIの添加によりさらにunzip状態となる傾向が見られた。また、単離心筋細胞を用いた実験でKIマウスではWTに比べ、Ca2+ spark頻度は著明に増加していた(WT ; n=178, KI ; n=149)。さらにイソプロテレノール負荷でKIマウスの心筋細胞では著明にCa2+ spark頻度が増加した(WT ; n=153, KI ; n=116)。また、CaMKIIの添加でCa2+ spark頻度が増加する傾向が見られた。以上のことはRyR2の点突然変異が、RyR2内ドメイン連関障害を生じさせること、CaMKIIによるRyR2リン酸化によりドメイン連関障害→Ca2+leakを生じる可能性が示唆され、今後の不整脈治療につながる成果である。
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Research Products
(8 results)