2010 Fiscal Year Annual Research Report
リアノジン受容体内ドメイン連関障害の是正による致死性不整脈治療法の開発
Project/Area Number |
21790726
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
奥田 真一 山口大学, 医学部附属病院, 医員 (90530212)
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Keywords | 心室性不整脈 / 興奮収縮連関 / リアノジン受容体 / カルモジュリンキナーゼ |
Research Abstract |
目的;CPVT型RyR2突然変異ノックインマウス(R2474S/+;以下KI)を用いて、CPVTの発症機序を解明するとともに、CaMKII (Calmodulin kinase II)の、CPVTにおけるRyR2のチャネル調節異常に及ぼす影響を検討し、さらにはCaMKII阻害薬を用いてRyR2を安定化させ、致死的不整脈の誘発抑制を目指す。 方法と結果;KIでは運動負荷やエピネフリン負荷で心室頻拍が誘発され、その際にはRyR2はリン酸化していた。また、RyR2内のドメイン連関はKIマウスのSRでpartialなN-Cドメイン連関障害が生じており、cAMP投与時にはfull unzippingとなった。また、単離心筋細胞でのCa2+放出能の評価を行い、RyR2からの局所的Ca2+放出であるCa2+ sparkを測定したところ、cAMPまたはイソプロテレノール負荷時のKIの心筋細胞ではWTに比べ、Ca2+ spark頻度は著明に増加していた。一方、CaMKII阻害薬を投与したところ、Ca2+ spark頻度は減少傾向であった。イソプロテレノール投与は、Protein kinase A (PKA)のみならずCaMKIIのリン酸化も増加させることから、CaMKII阻害薬はCaMKIIによるRyR2リン酸化により生じたドメイン連関障害により引き起こされたCa2+leakを抑制させる可能性が考えられた。 結語;CPVT型RyR2突然変異マウスにおいてCaMKIIのリン酸化によるRyR2ドメイン連関障害は致死性不整脈の誘因となりうること、CaMKII阻害薬によるRyR2のリン酸化を抑制することで、RyR2の安定化を介して不整脈誘発の抑制を起こしうる可能性が示唆された。
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Research Products
(11 results)