2009 Fiscal Year Annual Research Report
不全心におけるミトコンドリアDNAの細胞内分子機構の解明と治療への応用
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21790733
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井手 友美 Kyushu University, 大学病院, 助教 (90380625)
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Keywords | 心不全 / ミトコンドリアDNA / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本研究は、ミトコンドリアDNAが、心筋細胞障害を抑制することならびにそのメカニズムの解明を目的とするものである。平成21年度は、培養仔ラット心筋細胞にTFAM過剰発現を行う実験系を確立するために、その、アデノウイルスベクターの構築を行い、完了した。TFAMの遺伝子導入により、mtDNAの増加が、濃度依存性であること、および時間経過で変化することが明らかとなった。また、TFAM過剰発現マウスのマイクロアレイの結果から、カルシニュリンの阻害因子であるMCIPの発現が抑制されていることが示された。その下流であるNFATが、種々の肥大シグナルによって抑制されていることを確認するため、その準備として、NFATのリポーターアッセイの準備を行った。具体的には、NFAT-Lucプラスミドを構築し、コスミドを作成した。 さらに、TFAMを増加させる手段としての、精製蛋白のプロトコールをほぼ確立し、培養仔ラット心筋細胞内に、TFAMリコンビナント精製蛋白が、蓄積することを、観察することが可能であった。今後、平成22年度は、さらに、NFAT-Lucの系によって、TFAMの過剰発現が、AngiotensinまたはEndotherin刺激によって、惹起されるNFATの活性化をはじめ種々のシグナルの活性化を抑制されることを示し、さらに、TFAM増加の手段について、蛋白の大量精製、vivoでの投与条件の検討など、さらなる実験をすすめる予定である。
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