2009 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージ分化スイッチ制御による粥状動脈硬化プラーク破綻予防療法の研究開発
Project/Area Number |
21790734
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
的場 哲哉 Kyushu University, 大学病院, 医員 (20448426)
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Keywords | 動脈硬化 / プラーク破綻 / マクロファージ / マウス / ナノ粒子 |
Research Abstract |
1)単球選択的ナノDDSの生体内動態の検証 マクロファージ選択的に治療因子を導入するため、径200nmのpoly(lactic-co-glycolic acid)(PLGA)ナノ粒子を作成した。FITCを封入したPLGAナノ粒子(FITC-NP)を高脂肪食負荷ApoE欠損マウスに静脈注射したところ、末梢血ではCD11b(+)Gr-1(-)の単球に選択的取り込みを認め、網内系臓器(肝臓、脾臓)および腕頭動脈・動脈硬化巣内のマクロファージへの取り込みを認めた。 2)単球選択的ナノDDSによるマクロファージ分化スイッチ制御の検討 培養単球にナノDDSに封入したピオグリタゾン(Pio-NP)を投与したところ、LPS刺激に対するNF-kB活性化が抑制された。Pio-NPを高脂肪即負荷ApoE欠損マウスに静注し、3日後に腹腔内マクロファージの遺伝子発現をPCR Arrayを用いて検討したところ、NF-kBで発現調節されるMCP-1/CCL-2、RANTES/CCL-5、IL-1β、TNF-αなど炎症性サイトカインの発現抑制を認め、Pio-NPが炎症性M1マクロファージへの分化を抑制することが示唆された。M2マーカーの発現変化に関しても検討予定である。 3)プラーク破綻が再現よく生じるマウスモデルの作成 本研究において8週間の高脂肪食を負荷したApoE欠損マウスに4週間アンギオテンシンII持続負荷を行うことにより、腕頭動脈に急性プラーク破綻(線維性被膜の断裂、プラーク内出血)および陳旧性プラーク破綻(線維性被膜の埋没像)が観察できるマウスモデルを作成した。同マウスモデルでは、腹部大動脈瘤も生じる事が明らかとなった。 4)マクロファージ分化スイッチ(M1/M2 polarity)制御によるプラーク破綻予防効果について、今後検討予定である。
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