2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790735
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北本 史朗 Kyushu University, 大学病院, 臨床助教 (00380436)
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Keywords | 動脈硬化 / キチナーゼ / マクロファージ / 炎症 |
Research Abstract |
平成21年度は主に培養マクロファージ(RAW264.7細胞)を用いたin vitro実験を行った。<マクロファージにおけるキチナーゼの発現調節の検討>では、RAW264.7細胞にIFN-γ(Th1)刺激あるいはIL-4、IL-13(Th2)刺激を行ったところIFN-γ刺激によりキチナーゼの発現及び活性増加を認めた。動脈硬化の進展には炎症促進的に働くTh1優位の免疫応答が重要な役割をはたしており、キチナーゼ発現の増加にもTh1免疫応答が関与することが示唆された。<キチナーゼ過剰発現・抑制によるマクロファージ機能への影響の検討>では過剰発現にはキチナーゼ発現プラスミド遺伝子の導入を行い、抑制にはキチナーゼ阻害剤アロサミジンを使用した。その結果、(a)マクロファージの遊走能は過剰発現、抑制によりともに抑制された。(b)コレステロール代謝に関しては、抑制によりコレステロールの取り込み・蓄積(泡沫化)、ApoAI依存性のコレステロール排出が抑制された。過剰発現では安定した結果が得られなかった。(b)動脈硬化関連サイトカインの発現は、過剰発現では炎症性サイトカインのMCP-1、TNF-αが減少し、抑制により増加した。その他のサイトカインに関しては、有意な変化を認めなかった。以上の結果、キチナーゼはマクロファージの炎症反応は抑制し、泡沫化を促進することが示唆された。過剰発現・抑制実験結果の不一致の部分に関しては、薬剤(アロサミジン)使用による非特異的作用が考えられ、今後、特異的抑制が可能なキチナーゼmiR RNAi発現プラスミドの遺伝子導入などによる確認実験が必要と考えられた。<マウスを使用した予備実験>に関してはC57BL/6マウスを使用し、採血及び血清キチナーゼ活性の測定、心臓~左右腸骨動脈分岐部の採取及び大動脈基部および大動脈弓部~下行大動脈の標本の作製の練習に留まった。
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Research Products
(2 results)