2009 Fiscal Year Annual Research Report
心血管ストレスに応答するチロシンキナーゼの作用機序解明とその制御による創薬の試み
Project/Area Number |
21790741
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
松井 朗裕 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学部, 博士研究員 (70515296)
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Keywords | PYK2 / 動脈硬化 / アンギオテンシンII / 炎症 / チロシンキナーゼ |
Research Abstract |
目的:動脈硬化病巣、アンギオテンシンII刺激血管平滑筋・内皮細胞、において、チロシンキナーゼPYK2がどのようにNADPH-Oxidaseを活性化し、また発生した活性酸素が、それらの心血管ストレスにどのように応答するかその機序を下記のモデルを中心に明らかにする。 1)動脈硬化モデル:ApoE-PYK2-ダブルノックアウトマウスを作成し高コレステロール食負荷を行い、ApoE欠損マウスと比較したところ、動脈硬化病変の抑制が見られた。さらなる解析で循環血液中、および動脈硬化組織に動員される、単球、血管内皮前駆細胞数がPYK2欠損マウスで低下していた。また、Real-time PCRによる血管から産生されるサイトカイン、増殖因子の発現量の比較検討でもそれらのパラメーターが低下した。8-OH-dGをによる活性酸素の発現量の定量比較でもPYK2欠損マウスで減弱していた。2)アンギオテンシンII負荷による血管リモデリングモデル:PYK2欠損マウスではアンギオテンシンIIの皮下埋め込みポンプによる持続皮下注による昇圧反応が減弱し、中膜平滑筋の炎症性リモデリングが抑制された。そのメカニズムとして、PYK2欠損マウスでは、8-OH-dG染色によりアンギオテンシンII持続負荷後血管の活性酸素発現量が減弱していた。このようにPYK2は各種血管ストレスによる活性酸素発現を介した炎症に必須であることがわかった
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