2010 Fiscal Year Annual Research Report
心血管ストレスに応答するチロシンキナーゼの作用機序解明とその制御による創薬の試み
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21790741
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
松井 朗裕 京都府立医科大学, 医学部, 博士研究員 (70515296)
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Keywords | 心筋肥大 / プロモーター / メチル化 / IL-1 / IGF-1 |
Research Abstract |
血管ストレス応答性PYK2が、動脈硬化、心筋の圧負荷・虚血後の組織リモデリング、血管新生、内皮細胞障害後の内膜肥厚などの病態にいかに関わるかを追求し、その抑制による、それらの疾患の制御を試みた。すなわち、PYK2-mRNAにたいするhnRNAを作成し、adenovirus(あるいはlentivirus)vectorに組み込み、マウスに経静脈的に導入し、血管内皮細胞に発現させPYK2-mRNAを抑制するシステムを開発した。同マウスに内皮細胞障害による内膜肥厚モデルや、ApoE欠損動脈硬化モデル、あるいはAngiotensinII持続注入モデルを作成したところ、各種病変が顕著に抑制されることを確認しえた。また新しい導入法の試みとして、我々は、超音波増感剤と血管内皮前駆細胞を混ぜて静脈注射し、超音波を心筋に経胸壁的に照射すると、照射部位で血管の透過性が高まり、照射部位特異的に細胞が導入され、新生血管が増えることを見出した(J.Mol.Cell Cardiol.2006)。同様に下肢虚血モデルにおいても、超音波照射部位特異的に、静脈投与したEPCが集積する現象を見出している(Arterioscler Thromb Vasc Biol.. 2005)。また最近同様の方法を用いて、VEGF遺伝子を虚血下肢に導入し、血管新生に成功した報告がなされた。この方法を応用し、PYK2-siRNAと超音波増感剤を混ぜて静注し、経胸壁的に超音波を照射し、心筋特異的にPYK2-SiRNAの導入を試みたところ、より局所的な効率の良いPYK2の蛋白レベルでの発現の抑制が得られ、心肥大モデルにおいて、病変の顕著な抑制が得られた。現在その成果を投稿準備中である。
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