2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790744
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
東條 大輝 北里大学, 医学部, 講師 (70327344)
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Keywords | アンジオテンシンII / 心肥大 / リモデリング |
Research Abstract |
本研究の目的はc-AblがアンジオテンシンIIによる心肥大反応においてどのような役割を果たしているのかを検討することにある。本年度は昨年度に引き続き、マウスにオスモティック・ミニ・ポンプを用いてアンジオテンシンIIの慢性投与を行い、高血圧性心肥大モデルを作成。同モデルを用いて、c-Ablの心筋における発現とそのリン酸化をウエスタンブロッティング法によって検討した。結果として、アンジオテンシンIIの慢性投与によるマウス高血圧モデルの心筋においてはc-Abl蛋白の発現が有意に亢進いることが明らかとなった。さらに、免疫共沈降法を用いた検討では、アンジオテンシンIIの急性投与によりマウス心筋においてc-Ablのチロシンリン酸化が著しく亢進することが判明した(未発表データ)。これらの研究成果より、従来著者らが報告していた血管におけるアンジオテンシンII惹起性肥大反応のみならず、心筋細胞においてもc-AblがアンジオテンシンIIの肥大シグナリングに重要な役割を果たしていることが強く示唆された。現在までアンジオテンシンIIの細胞内シグナリングはすべての心臓病の不可逆的指標である心臓リモデリングにおいて重要な役割を果たしていることが臨床的に明らかとなっている。c-Ablを介した新しい肥大反応シグナリングの存在を証明するため、c-Ablを薬理学的、genetic ablationなどで阻害することによって、アンギオテンシンによる反応が減弱するかどうか、動物モデルや培養心筋細胞等を用いて検討を行いたいと考えている。
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Research Products
(5 results)