2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790758
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長井 桂 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (40374293)
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Keywords | 加齢 / 喫煙 / 閉塞性肺疾患 |
Research Abstract |
【背景・目的】NF-E2-Related Factor 2(Nrf2)は抗酸化システムの主要な転写因子である。以前の検討では、動物実験では若いマウスに喫煙刺激を与えると気道上皮のNrf2の発現が上昇するが(Adair-Kirk,Am J Physiol,2008)、人では中高年喫煙者の気道上皮でのNrf2の発現は低下する(Suzuki,Am J Respir Cell Mol Biol,2008)。若年喫煙者と中高年喫煙者のNrf2発現を比較した。 【方法】無症状の若年者(平均年齢23±3歳、生涯非喫煙者7名、現在喫煙者7名)、中高年者(平均年齢63士5歳、生涯非喫煙者6名、現在喫煙者10名)に気管支鏡を行い、気道上皮を採取した。気道上皮のNrf2およびNrf2の標的遺伝子の一つであるγ-GCSのmRNA発現をRT-PCR法で比較した。また、免疫染色にて細胞質は0-3の4段階でスコア化、核は陽性細胞の割合を求めNrf2の発現を比較検討した。 【結果】中高年では非喫煙者と比較し喫煙者でNrf2およびγ-GCSmRNA発現が低下していたが(p=0.023)、若年者では差がなかった。若年者での細胞質のNrf2発現強度は、非喫煙者と比較し喫煙者では低下していたが(p=0.045)、核でのNrf2陽性細胞の比率は増強していた(p=0.008)。中高年者のNrf2発現は非喫煙と比較し喫煙者では細胞質及び核どちらも低下していた(p=0.050),(p=0.014)。 【結論】喫煙における気道のNrf2発現は加齢で影響を受ける。
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Research Products
(3 results)