2009 Fiscal Year Annual Research Report
Hot tub lungの原因抗原同定と分子生物学的な病態解明
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21790760
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
榊原 智博 Tohoku University, 病院, 助教 (80422111)
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Keywords | 蛋白質 / 内科 / 微生物 / プロテオーム |
Research Abstract |
まず予備実験でHot tub lung患者血清に存在した、M.avium complexのタンパク質を認識する抗体の精製を試みた。プロテインGを用いて、患者血清中からIgGを精製した。次にこの患者IgGが実際に、M.avium complexのタンパク質を認識するかを、再度免疫プロットにより確認し、患者血清を用いた時の免疫プロットと同様のバンドを認めた。以上からHot tub lung患者血清に存在したM.avium complexのタンパク質を認識する抗体はIgGであることが判明した。次にこのIgG抗体で認識されるM.avium complexのタンパク質の同定を試みた。M.avium complexのタンパク質をSDS-PAGEにより分離し、CBB染色で可視化したが、免疫プロット法で認識されたバンドに相当するタンパク質を確認することは困難で、このタンパク質をCBB染色法で可視化できる程度に濃縮する必要があった。抗体で認識されたタンパク質の濃縮方法として、免疫沈降法を用いて。まずプロテインGセファロースに患者IgGを結合させ、これにM.avium complexのタンパク質溶液を加え、抗原と抗体を結合させた。その後セファロロースを洗浄して、煮沸によりタンパク質を得た。このタンパク質溶液をSDS-PAGE法により分離し、CBB染色にて可視化したところ、予備実験の免疫プロット法で確認されたバンドとほぼ同じ分子量の位置に、バンドが確認された。このバンドが示すタンパク質を質量分析にて同定を試みたが、結果はヒトタンパク質と判明し、これらの実験系で混入したタンパク質であった。
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