2010 Fiscal Year Annual Research Report
膜脂質の酸化がカベオラの動態および肺線維化に与える影響
Project/Area Number |
21790762
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久田 修 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助教 (60466571)
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Keywords | 線維化 / 脂質代謝 / 核内受容体 / 肝臓X受容体 |
Research Abstract |
肺は外気に直接接しており、環境因子の影響を受けやすいという臓器特性がある。一方、肺サーファクタントに代表されるように脂質・タンパク質の代謝を営む代謝臓器としての側面を有する。このような特性から、外的因子に対する宿主の反応性に、脂質などのエネルギー代謝が関与する事が予測される。本研究は、肺線維化に焦点を当て、肺の脂質代謝と疾患との関連を解明する事を目的としている。 昨年度は、脂質代謝と線維化との関連を解析する中で、コレステロール代謝を担う核内受容体(肝臓X受容体:LXR)アゴニストの抗線維化作用を新たに見出した。そこで本年度は、LXRアゴニストの抗線維化作用の分子メカニズムに焦点を当て解析を行った。その結果、(1)合成アゴニストT0901317に加えて、生理的アゴニストである一部の酸化コレステロールが抗線維化作用を示す事、(2)LXRアゴニストは、TGFβによるSMADのリン酸化、および核移行を阻害しない事、(3)LXRアゴニストはPPARγとは独立した系で抗線維化作用を示す事、が示された。 一部の酸化コレステロールが抗線維化能を有する事が示され、生体においてコレステロール代謝が組織修復に重要な働きをする事が示された。今後、肺の線維化病態におけるコレステロール代謝の動態を解析する事により、新たな治療戦略につながる可能性がある。また、抗線維化能を特異的に有するLXRアゴニストを探索する事により、新たな抗線維化薬の開発につながる可能性がある。
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[Journal Article] Gradual Increase of HighMobility Group Protein B1 in the Lungs after the Onset of Acute Exacerbation of Idiopathic Pulmonary Fibrosis.2011
Author(s)
Ebina M, Taniguchi H, Miyasho T, Yamada S, Shibata N, Ohta H, Hisata S, Ohkouchi S, Tamada T, Nishimura H, Ishizaka A, Maruyama I, Okada Y, Takashi K, Nukiwa T
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Journal Title
Pulmonary Medicine
Volume: (on line)
Peer Reviewed
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