2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト悪性中皮腫の新予防・治療法の開発のための基礎研究ーAMPK活性化の重要性
Project/Area Number |
21790763
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
牛 凱軍 Tohoku University, 大学院・医工学研究科, 准教授 (70447134)
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Keywords | 悪性中皮腫 / AMPK活性化 / AICAR / SCIDマウス / 細胞周期 / アポトーシス |
Research Abstract |
1.まず,in vitro cell counting kit(WST-8)を用いて,AMPK活性剤であるAICARの投与による6種類のヒト悪性中皮腫細胞の増殖への影響を検討した結果,3日目の時点に低用量(50μg/ml)では,約20%;高用量(500μg/ml)では約70-80%の細胞増殖の抑制が見られた.また,用量依存性(50μg/ml, 100μg/ml, 200μg/ml, and 500μg/ml)の細胞増殖の抑制も観察された.更に,BrdU/7-AAP kitを用いた細胞周期解析により,1日目の時点に高用量(500μg/ml)はDNA合成期の細胞が約100%(無添加:15% ; 500μg/ml AICAR : 0.4%)抑制された.これらの結果から,AICARは細胞周期(特にDANの合成)の抑制により,細胞の増殖を抑制したことが示唆された. 2.上述の結果に続いて,増殖の抑制のメカニズムを検討するために,Western blotting analysisを用いて,癌抑制遺伝子p53に注目し,AICARの投与による影響を検討した.1日目の時点に用量と関係なく,約50%の活性化p53の発現の増加が観察された. 3.最後に,in vivoの腫瘍の生長へのAICARの投与による影響を検討するために,SCIDマウスと1種類のヒト悪性中皮腫細胞(予備実験により,6種類の細胞の中に1種類だけマウスの体で生長できることを確認した)を用いて,ヒト悪性中皮腫のマウス皮下モデルを作製した.5日後から,100mg/kg/dのAICARの腹内投与を行なった.1週間後から毎日癌の大きさを測り,20日後にマウスを殺した上で癌を取り出し,重さを測った.約30%の癌の生長の抑制が観察された. 今後,in vitro詳しいメカニズムとin vivoサンプルの解析及びヒト悪性中皮腫胸腔モデルへの影響を検討する予定である.
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Research Products
(1 results)