2010 Fiscal Year Annual Research Report
間質性肺炎急性増悪の発生機序の解明。線維化肺では上皮のバリアが低下する。
Project/Area Number |
21790764
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
太田 洋充 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40451562)
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Keywords | 非閉塞性肺疾患 / 肺線維症 / タイトジャンクション |
Research Abstract |
肺胞の恒常性の維持には肺胞上皮のバリア機能が重要であり、肺炎、心不全やARDSなどの疾患の原因の一つとして肺胞上皮細胞間のバリアの破綻があげられる。上皮細胞の物理的なバリアは細胞間のタイトジャンクションにより形成されていると一般に考えられている。これまでの研究により、claudinの発現パターンにより、上皮細胞のバリアの性質が決定される。前年までの研究で、肺においてはclaudin-3が気道上皮細胞、claudin-18は肺胞上皮細胞、さらにclaudin-5は血管内皮細胞に強く発現することが判明した。肺障害時に肺のバリアがどのように変化するか同定するため、ブレオマイシンによる肺障害モデルを使用し、claudinやその他のタイトジャンクションに関連するタンパクの発現変化を観察した。ブレオマイシンの障害によりタイトジャンクションに関連するタンパクは概ね低下したが、特に、claudin-5、claudin-18の発現の低下が顕著であった。また、これらのclaudinの発現を抑制する因子として、TGF-βであると予想した。実際、培養細胞をTGF-βで刺激すると、上皮細胞はタイトジャンクション関連タンパクであるoccludinの発現が低下した。また、血管内皮細胞でもTGF-βの刺激によりclaudin-5の発現低下を確認した。さらに、siRNAを用いてin vivoのマウスの肺胞上皮でclaudin-18の発現を抑制する実験を計画した。培養細胞ではclaudin-18の発現を認めないため、マウス肺から肺胞上皮細胞を分離し一次培養することを試み、肺から分離後、4日目の肺胞上皮細胞でclaudin-18の発現を免疫染色により確認した。今後、siRNAの効果を確認し、in vivoの肺でsiRNAによるcludin-18の発現抑制を行い、肺胞上皮細胞でのclaudin-18の機能を検討する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Gradual increase of high mobility group protein B1 (HMGB1) in the lungs after the onset of acute exacerbation of idiopathic pulmonary fibrosis.2011
Author(s)
Ebina M, Taniguchi H, Miyasho T, Yamada S, Shibata N, Ohta H, Hisata S, Hirota N, Nishimura H, Ishizaka A, Maruyama I, Takashi K, Nukiwa T.
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Journal Title
Pulmonary Medicine
Pages: 1-9
Peer Reviewed
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