2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌ペプチドdefensinの炎症性疾患への関与に関する研究
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21790766
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 泰弘 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60376473)
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Keywords | 免疫学 / 応用動物 / 微生物 / 肺癌 / 急性肺損傷 / defensin |
Research Abstract |
抗菌ペプチドdefensinは、その強い抗菌活性により自然免疫のエフェクター因子として機能している。同時に、Defensinは免疫の制御因子としての機能も有し、さらに、defensin自身も高濃度では細胞傷害性を有する。急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome, ARDS)患者の肺胞洗浄液中のdefensinが、コントロールより上昇していることが既に報告されており、このようなdefensinの増減が、単に炎症に付随したものではなく、病因としての意義をもつかを検討した。我々が作製したβ-defensinの過剰発現マウスは、低体重、寿命の短縮、筋線維の変性を示し、過剰なdefensinが病因にもなりうることが示唆された。さらに、私は、human β-defensin-3(hBD-3)のマウスホモローグであるmouse β-defensin-14(mBD-14)の遺伝子欠損マウスを作成し、エンドトキシンによるARDSモデルを作成したところ、当該マウスで細胞浸潤の低減がみられた。一方、defensinの抗腫瘍効果についても検討している。LLC細胞を野生型マウスの皮下に接種後、高濃度のmBD-14ペプチドを局所に持続投与すると、腫瘍の増大を有意に抑制することを観察した。その組織像を観察するとTUNEL陽性細胞が、mBD-14ペプチドを投与した腫瘍組織で増加していることも観察された。
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Research Products
(2 results)