2009 Fiscal Year Annual Research Report
トリインフルエンザ制圧に向けたインフルエンザM2特異的ヒト抗体の単離と機能解析
Project/Area Number |
21790767
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小澤 龍彦 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (10432105)
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Keywords | インフルエンザ / M2 / 抗体医薬 |
Research Abstract |
本研究は、我々が開発した「リンパ球チップ」という新しい抗体医薬戦略を用いて、トリインフルエンザウイルス(InV)を制圧する画期的な抗体医薬開発の基礎研究を目的とする。即ち、(1)トリInVを含むA型InVに共通して発現し、かつ抗原性変異が少ないマトリックスタンパク2(M2)に対するヒト抗体を作製する。(2)さらにそれら抗M2ヒト抗体の機能解析を通して、in vitroにおける中和能の検討を行う。 平成21年度の研究実績は以下の通りである。 1. Bリンパ球由来単一細胞5'-RACE法の向上:単一の抗体産生細胞より効率よく抗体遺伝子の増幅をおこなうため、定常領域に設計しているオリゴDNAの見直し、アニーリング温度などの反応条件検討を行った。その結果、60~80%の効率で抗体遺伝子を取得する事が可能となった。 2. 迅速抗体構築法の向上:特異的Bリンパ球の検出からELISAの解析までの全行程をハイスループット化するため、各行程の至適条件の検討、簡素化を行った。その結果、全行程をおおよそ7日で完了するスクリーニング系を確立した。 3. 抗M2抗体アッセイ法の確立:M2リコンビナントタンパクを作製するため、M2発現プラスミドの構築を行い、哺乳類細胞にM2リコンビナントタンパクが発現していることを、免疫染色により確認した。 4. インフルエンザワクチン接種者からの抗M2抗体の単離:ワクチン接種ボランティアより末梢血リンパ球を分離し、抗M2抗体を産生しているB細胞を我々が開発したISAAC法を用いてスクリーニングを行った。その結果、現在までに抗体Ab1-10がM2と特異的に結合することが明らかとなった。
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Research Products
(8 results)