2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790769
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小林 和幸 Kobe University, 医学部附属病院, 特定助教 (50403275)
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Keywords | 気管支喘息 / 母子間 / 抗原特異的IgG / アレルギー感受性 |
Research Abstract |
FcRn欠損マウスと野生型マウスにIgGを静脈投与したところ、野生型マウスでは72時間後血清中にIgGが確認されたが、FcRn欠損マウスでは24時間後の血清検体でIgGは検出されなかった。野生型及びFcRn欠損マウスに卵白抗原(OVA)のを用いて感作、喘息誘導を行い、両群の喘息の程度を比較したが、有意な差は得られなかった。次に妊娠中の野生型マウスの母親にOVAで感作を行い、喘息を誘導した後、その仔マウスの喘息感受性を調べたところ、喘息を起こしていない母親から生まれた仔マウスに比し、血清中の抗原特異的IgEの発現、喘息の感受性が抑制されていた。同様の実験をFcRn欠損マウスに行ったところ、喘息感受性の抑制効果は認められなかった。以上の結果より母親の免疫状態が子供の喘息感受性を制御しており、これにFcRn受容体が関わってることが推測された。 次に、FcRnが母親由来のIgGを子供に輸送していると考え、母親マウスにex vivoで生成したOVA特異的IgGを出産前に静脈投与し、その仔マウスの血清IgGと喘息感受性を評価したところ、仔マウスにも抗原特異的IgGが確認され、喘息感受性が抑制されることが明らかとなった。同様の実験をFcRn欠損マウスで行ったところ抑制効果は認められなかった。実験前の予測ではEcRnが母親由来の免疫複合体を輸送することも考慮していたが、OVA特異的IgGの静脈投与でも仔マウスの喘息感受性を制御できることが分かり、免疫複合体よりもIgGが重要であることが明らかとなった。
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