2009 Fiscal Year Annual Research Report
CCNファミリー分子を標的とした肺線維症の病態解析と新規治療法への展開
Project/Area Number |
21790772
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
東 桃代 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 特任助教 (10403750)
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Keywords | 肺線維症 / CCNファミリー / インテグリン |
Research Abstract |
我々は、肺線維症に対する分子標的療法の開発を目的に病態解析を行ってきた。その結果、PDGFR阻害活性をもつイマチニブが、抗線維化効果を持つことを報告した。一方、PDGFと同様に肺線維症で重要な役割を果たすTGF-βは、CTGFと密接に関連し線維化に関与していると報告されている。現在CTGFが属するCCNファミリーには6つの分子が知られているが、それぞれの肺線維症における役割は不明である。そこCCNファミリーの肺線維症における役割を解析することを目的とし肺線維芽細胞と、ブレオマイシン肺線維症モデルを用いた解析を中心にCCNファミリーの肺線維症における役割を追求する。 これまでの実験で、線維芽細胞の増殖刺激に重要なCCNファミリーはCCN1/Cyr61、CCN3/NOV、CCN6/WISP-3で線維芽細胞上のCCNファミリーレセプターであるインテグリンはαV,β1で確あることが示唆された。CCN6/WISP-3からの細胞増殖刺激がインテグリンレセプター阻害抗体(CD29抗体=integrin β1chain)で細胞増殖の抑制を確認できたことからCCNファミリーのCCN6の肺線維芽細胞増殖シグナルにはintegrin β1chainを介したシグナルが重要であることが示された。 【平成23年度研究計画】1)CCNファミリーのインテグリンを介した増殖シグナルの検討:CCN1、CCN3、CCN6等の細胞刺激がインテグリンを介したものか検討するために、阻害抗体(CD29抗体=integrin β1chain、抗マウス、CD51抗体=integrin αVchain等)を用い、CCNファミリー分子からのシグナル伝達の抑制を細胞増殖試験にて確認する。2)インテグリン下流の細胞内シグナル伝達の検討:.マウス肺線維芽細胞においてCCNファミリーからのシグナル伝達をFAKリン酸化を中心に検討する。さらに、インテグリン阻害抗体で、リン酸化が抑制されるかどうかをWestern blottingを用いて確認する。3)ブレオマイシン肺線維症モデルにおけるCCNファミリー発現の検討:ブレオマイシン肺線維症モデルでタイムコースをとり、RNAを抽出しCCN、CCN3、CCN6等の遺伝子発現をRT-PCRで確認する。同様にWestern blottingを用いて蛋白発現についても検討を加える。 6)CCNファミリー分子を標的とした肺線維症モデルにおける治療実験治:ブレオマイシン肺線維症モデルのを用い、中和抗体等入手可能な状況にあれば治療実験を行い抗線維化効果を検討する。
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