2011 Fiscal Year Annual Research Report
COPD増悪機序と制御の研究-好中球活性化におけるtoll-like受容体の役割
Project/Area Number |
21790782
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
小荒井 晃 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (80458059)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 急性増悪 / ウイルス感染 / Toll-like受容体 / 好中球 / 酸化ストレス / サイトカイン / 酸化ストレス |
Research Abstract |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は世界的にみて罹患率と死亡率の高い疾患であり、急性増悪はその病態進行のみならず増悪時の入院費増大など社会的負荷の観点からもその制御が重要である。増悪因子のひとつとしてウイルス感染が考えられるがウイルス感染によるCOPD急性増悪の機序は未だ不明である。近年、ウイルス感染時に産生される1本鎖および2本鎖RNAがtoll様受容体を介することで炎症を惹起する報告が散見される。本研究では、toll様受容体を介した好中球活性化機序がCOPD急性増悪の病態に重要であると考え、COPDの病態で重要な酸化ストレスによる好中球のTLR8シグナル経路の活性化機序に注目し、そのメカニズムの解明およびその病態への関与を検討した。また、上記機序に関し、他の炎症細胞やレジデント細胞においてTLR受容体反応性を検討し、COPDおよびその増悪機序におけるTLR受容体システムの役割を解明する上での糸口を模索した。 前年度までに、好中球において酸化ストレスがNF.B経路を介してTLR8のシグナルを活性化、IL-8産生を増強すること示したが、(Yanagisawa S,Koarai A et al.Respir Res 2009)、本年度は、COPD患者の末梢血好中球は健常者に比し、TLR8リガンド刺激によるIL.8産生能が有意に亢進していることを明らかにした。さらに、COPD増悪時における好中球TLR8反応性が亢進する可能性について検討を試みたが、増悪時の好中球は活性化のためか分離が困難であり、検討困難であった。加えて、末梢血単核球由来マクロファージを用いたマクロファージにおけるTLR3および酸化ストレスに対する反応性に関し検討を試みた。以上から、酸化ストレス下ではウイルス感染時の好中球によるIL-8産生が増強し、オートクライン機序による好中球性炎症が増強する可能性が示唆された。
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Research Products
(13 results)