2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790790
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
松永 和子 Kurume University, 医学部, 助教 (60333233)
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Keywords | COPD / 炎症 / マウスモデル / 併存症 |
Research Abstract |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は併存症の多い疾患として知られている。COPD死亡原因の多くを脳卒中や心筋梗塞が占め、栄養障害・骨粗鬆症・糖尿病・鬱病などはCOPD患者のQOLを大きく障害する。また、COPDの存在により、他の疾患の危険因子が増加する;これはCOPDと肺癌について特に顕著である。したがって、COPD患者の治療と管理にはこれらの併存症のコントロールが重要になってくる。 我々はこれまでにCOPD患者の肺の炎症は禁煙によっても完全には改善しないことを明らかにした。また、その炎症部位のCD8陽性T細胞には炎症性サイトカインIL-18の発現が増強しており、COPDの炎症が持続する機序にIL-18が関与している可能性が強く考えられた。ヒト・サーファクタント・プロモーター(SPC)を使った恒常的発現肺特異的発現IL-18トランスジェニック(SPC-IL-18TG)マウスを樹立した。このTGマウスは肺にCD8陽性T細胞を伴う肺気腫が誘導された。加えてこのTGマウスをIL-18で誘導されると考えられるTh2型サイトカインIL-13遺伝子を欠損させると肺気腫だけでなく肺への炎症細胞浸潤が抑制された。驚いたことに、このTGマウスは骨関節炎(OA)様症状を発症しており、IL-18は全身病変を誘導することが示唆された。現在、COPDの臨床病期と併存症の重症度との相関、測定可能な臨床検査での危険因子の検討などを行い、動物実験成績との比較検討を行っている。
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Research Products
(2 results)