2009 Fiscal Year Annual Research Report
慢性腎臓病(CKD)および腎心相関にはたすエピジェネティクスをかいした新規機序
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21790802
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
坂井 宣彦 Kanazawa University, 附属病院, 助教 (60377421)
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Keywords | 慢性腎臓病 / 線維化 / エピジェネティクス / Fibrocyte / ケモカイン / ヒストンアセチル化 / クルクミン / NF-κB |
Research Abstract |
本年度は,慢性腎臓病の共通進展機序である腎間質線維化におけるエピジェネティクスの意義,ことにfibrocyteをかいしたエピジェネティクスの役割について取り組んだ.すなわち,確立された腎間質線維化モデルであるマウスー側尿管結紮(UUO)モデルを作成し,腎間質線維化におけるヒストンアセチル化,およびヒストンアセチル化阻害剤(curcumin)を用いて腎間質線維化に与える効果を検討した.さらに,ヒストンアセチル化が腎内ケモカイン発現にあたえる影響を検討し,fibrocyteの腎浸潤を評価した.また,培養fibrocyteのコラーゲン産生機序に対するヒストンアセチル化の関与を検討した. その結果,UUOモデルにおいて腎内HAT活性の亢進,尿細管上皮細胞ならびに間質浸潤細胞におけるアセチル化ヒストンの増加,腎内NF-κBのDNA結合能亢進,腎内MCP-1発現亢進およびfibrocyte腎浸潤を認め,腎間質線維化が進展した.一方HAT活性阻害剤であるcurcumin投与により,これらの変化が抑制されることを明らかにした.さらにヒトfibrocyteを用いた検討において,TGF-β_1刺激によりI型プロコラーゲンα1mRNA発現の亢進を認め,一方curucumin処置によりその発現が抑制されることを明らかにした. これは,UUOモデルにおいて腎内ヒストンアセチル化が(1)ケモカインシステムを介したfibrocyteの腎浸潤調節機序,および(2)浸潤fibrocyteのI型コラーゲン発現機序に寄与することを示唆するものである.このことから,ヒストンアセチル化は慢性腎臓病の共通進展機序である腎間質線維化の新規進展機序および治療標的分子として意義あるものである.
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Research Products
(1 results)