2010 Fiscal Year Annual Research Report
腎線維症におけるトールライクレセプター4の役割と治療意義に関する研究
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21790807
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮田 仁美 京都大学, 医学研究科, 医員 (80529751)
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Keywords | 腎臓病 / 腎線維化 / TLR4 / IVFM |
Research Abstract |
腎間質の線維化が、腎予後を規定する最も重要な因子の一つであることはよく知られており、今回私は、細菌や、ウイルスの合成成分を認識するレセプターとして知られるようになったToll like receptor(TLR)ファミリーのうち、エンドトキシン(LPS)の受容体であるTLR4が、移植腎、虚血腎のような非感染症の病態にも関与し,更にLPS以外にheat shock proteinなどの急性期タンパクがTLR4伝達経路を通じてNFκBやMAPKを活性化することや、炎症治癒過程で出現するフィブロネクチン、ヒアルロン酸などの細胞外基質がリガンドとなることが確認され(Akira Sら)たことを踏まえ腎線維化に影響を持っているのではないかと仮定した。今回片側尿管閉塞(UUO)モデルマウスを用いて最長14日の観察を行った。早期(7日目まで)においてTLR4欠損マウスでは線維化が遅れるという結果を得た(一部を学会で発表)が、それ以降になると線維化に関与する他経路が増幅されるのか差がなくなる。実際早期においては、TLR4欠損マウスならびに自然発症型TLR4低発現マウスでは、コラーゲンの発現や、浸潤細胞数が有意に低い。またTLR4欠損マウスにおいて、下流域にあるとされるNFκBの活性も早期に低下していることが確認された。現在東京大学三宅らのグループは劇症型の肝炎モデルマウスに対して、抗TLR4抗体が病態を有意に軽減することを示したが2種類の抗体はそれぞれ異なる作用を示した事を報告しており(Akashi-Takamuraら)二種類の抗体を用いて線維化に体する治療効果の可能性について検証中である。
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Research Products
(1 results)