2009 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎症における核内受容体LXRの分子機構の解明と治療応用
Project/Area Number |
21790813
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小川 大輔 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70535195)
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Keywords | 糖尿病性腎症 / LXR / 核内受容体 / 糖尿病 |
Research Abstract |
我々は以前より、糖尿病性腎症の進展過程において慢性炎症や細胞周期異常が関与していることを報告してきた。さらに、最近PPARγアゴニストであるチアゾリジン誘導体が慢性炎症や細胞周期異常を是正することによって治療効果を発揮することを報告した。我々の報告を含め、PPARsの糖尿病性腎症に対する作用機構に関する知見は徐々に集積されつつあるが、一方LXRに関しては未だまったく解明されていない。そのため、糖尿病性腎症に対して核内受容体LXRの役割を解明するために、LXRアゴニスト(T0901317,Sigma-Aldrichより購入)を糖尿病モデル動物に投与する検討を行った。なお、糖尿病性腎症への治療効果を検討する際に、肥満動物モデルでは脂質や血糖といった代謝改善がもたらされ、それに伴う腎症治療効果があるため、ストレプトゾトシン誘発糖尿病(1型糖尿病)モデルを用いて検討を行った。雄性C57BL/6マウスを(1)非糖尿病群+vehicle投与群、(2)糖尿病群+vehicle投与群、(3)糖尿病群+T0901317投与群の3群に分類し、8週齢より8週間投与した。評価項目として、体重、血圧、HbAlc、尿中アルブミン、Ccrを測定した。LXRアゴニスト投与により、体重、血圧、HbAlcに有意差は認めなかったが、糖尿病誘発後8週目で尿中アルブミンの有意な減少を認めた。組織学的にはGWは糖尿病群でみられる糸球体肥大とメサンギウム基質の増加を抑制した。LXRアゴニストは1型糖尿病マウスにおいて、アルブミン尿と腎組織障害を改善することが明らかとなった。平成22年度は組織学的検討に加えて、慢性炎症の評価である腎組織内のマクロファージの浸潤、炎症性サイトカインのmRNA定量、接着分子の発現研究、NFκBのゲルシフトアッセイなどを行う予定である。
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Research Products
(3 results)