2011 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療技術を応用した腎尿細管の再生・修復による急性腎不全の新規治療薬の開発
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21790816
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
井上 紘輔 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (00403907)
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Keywords | 急性腎障害 / 尿細管 / dedifferentiation / 再生医療 / オートファジー / 血液透析 / アポトーシス / 腎保護作用 |
Research Abstract |
平成23年度は、Wnt4の遺伝子座に蛍光タンパク質GFPを導入したマウスを作製している。このマウスを利用し、胎生後期あるいは、出生後に急性虚血等の回復期に、Wnt4の発現する細胞を検出し、単離することができる。現在幹細胞のマーカーといわれているslow cycling cellの特徴に加え、新規のマーカーを導入した遺伝子改変マウスの導入により、内因性の腎尿細管細胞の同定を目指す。腎幹細胞を同定する方法として、腎胎生期に出現する遺伝子が、急性腎不全の回復期に、再発現する現象を用いることが考えられる。申請者らは腎尿細管の分化に重要な意義を持つDelta-1,Notch-Hes systemについて検討を加えている。このシステムは神経系と血液系で発生、分化に重要な役割を持つことが知られているが、申請者らは、これらのDelta-1,Notch-Hesが、腎胎生期に発現することと、急性腎不全の回復期に近位尿細管で再発現することを、平成19年度のアメリカ腎臓学会で報告している。申請者らは、Delta-1蛋白を生合成し、培養皿にコーティングし、尿細管細胞を培養し、Delta-1が腎尿細管細胞の形態、増殖に与える影響を測定できる系を構築しつつある。この方法を用いてDelta-1,Notch-Hes systemの尿細管の再生に及ぼす影響を検討した。さらに、HNF-1βの点から急性腎障害の回復期、発現亢進が尿細管の再生に働くことを学会発表し、下記の論文で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の成果はほぼ順調に進展しており、下記のように国際学会誌、あるいは国内学会誌で発表し、腎疾患の新規治療法の可能性、成果を発信している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後臨床応用を鑑み、高知大学医学部倫理委員会の承認を得て(承認番号22-61)を得て、CKD患者での急性腎障害患者の尿検体から、Wnt4,Notchの遺伝子発現を定量的に検出する方法を開発し、尿細管障害のマーカーとともに再生のマーカーを検索している。
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Research Products
(3 results)