2009 Fiscal Year Annual Research Report
尿酸輸送体URATv1のスプライスバリアントによる極性輸送変化と血中尿酸値の調節
Project/Area Number |
21790819
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
木村 徹 Kyorin University, 医学部, 助教 (30433725)
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Keywords | 尿酸 / トランスポーター / 細胞内極性輸送 |
Research Abstract |
本研究は、当研究室で新たに同定した尿酸トランスポーターURATv1の細胞内極性輸送に関わる結合タンパク質を同定し、それに伴う血中尿酸値調節機構の解明を目的として研究を行った。このURATv1は以前からスプライスバリアントが存在することが報告されている。この2つのスプライスバリアントは、開始コドンの位置が異なることによって作られるN末端が短い512アミノ酸(URATv1-Sとする)またはN末端が長い540アミノ酸(URATv1-Lとする)の2種類のURATv1である。細胞内の極性輸送は、輸送される目的のタンパク質に結合するタンパク質が決定することがほとんどである。そこで申請者は、URATv1-SとURATv1-Lの異なるN末端に結合し極性輸送を担うタンパク質を探索し、それに伴う血中尿酸値の調節機構の解明を目的として研究を行った。 まず、スプライスバリアント間で異なるN末端領域にそれぞれ結合するタンパク質を同定するため、Yeast two hybrid screeningを行った。URATv1の異なる領域をbait、腎臓cDNAライブラリーをpreyとしてスクリーニングを行い、いくつかのポジティブクローンを得た。現在、免疫沈降法などの他の方法を用いて結合の確認を行っている。また、URATv1-SとURATv1-Lとの間で異なっているアミノ酸配列内に、極性輸送に関わるターゲッティングシグナルが存在するはずである。このシグナル部位を決定するために、N末端から数残基ずつを欠失させた変異体を作製し、MDCK細胞に発現させてその細胞内極性輸送に関わるアミノ酸配列部位の同定を行った。その結果、URATv1-SのN末端領域には明らかなターゲッティングシグナルが存在しなかったが、URATv1-LのN末端領域のアミノ酸31残基にシグナルが存在することが分かった。
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