2010 Fiscal Year Annual Research Report
αシヌクレイノパチーにおけるアミロイド伝播機序の解明
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21790847
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
笠井 高士 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (70516062)
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Keywords | パーキンソン病 / αシヌクレイン / アミロイド伝播 |
Research Abstract |
パーキンソン病に代表されるαシヌクレイノパチーにおいてαシヌクレイン病理の細胞間の伝播が存在している可能性が示唆されているが、その細胞生物学的機序は明らかになっていない。研究代表者はαシヌクレインが生理的に細胞外に分泌されている点に注目し、αシヌクレイン病理が伝播するメカニズムとして障害された神経細胞から細胞外に分泌された易凝集性αシヌクレインを周辺細胞が取り込んで細胞障害が拡散・伝播するとの仮説を立てた。本研究では、この仮説の検証と、αシヌクレインが細胞内に取り込まれる際のメカニズムの解明を目的としている。 研究代表者は研究計画1として細胞外αシヌクレインのcharacterizationを挙げていた。当該年度において代表的な易凝集性あるいは細胞障害性のαシヌクレイン分子種であると理解されているリン酸化αシヌクレインに注目し、その脳脊髄液中の同定を試みた。主として高速液体クロマトグラフィー・免疫沈降法および質量分析などを駆使して同定を試みたが残念ながら直接検出することは困難であった。また、研究代表者は研究計画4.5として細胞外αシヌクレインのクリアランス過程と周辺細胞への伝播を仲介するレセプターを明らかにする点を挙げていた。これらを検討する前段階として細胞外αシヌクレインの運搬担体蛋白の同定に着手した。当該年度において、血漿中αシヌクレインの濃縮および単離法を確立しており、今後、担体蛋白の同定に着手する準備を完了した。
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Research Products
(4 results)