2010 Fiscal Year Annual Research Report
ATP13A2の分子機能探索と局在異常に伴う神経細胞死の機序解明
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21790852
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
里 史明 星薬科大学, 薬学部, 助教 (10468580)
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Keywords | パーキンソン病 / リソソーム / 細胞死 |
Research Abstract |
前年度までにATP13A2 siRNAを用いATP13A2分子の機能、細胞死への影響を検討した。本年度はshRNAを用いATP13A2発現抑制細胞株を用い、持続的にATP13A2遺伝子発現を抑制した細胞を用い、ATP13A2発現抑制によるリソソームへの影響、並びに細胞死を検討した 以下、神経芽腫細胞(SH-SY5Y)、肝ガン由来細胞(HepG2)にATP13A2 shRNAを導入し検討した成果である。 1.リソソームへの影響 蛍光免疫染色にて、SH-SY5Y細胞内のみでLamp2陽性、Cathepsin BまたはD陽性の顆粒状の構造物の増加を認めた。タンパクレベルにおいてもその増加が認められた。さらに、Cathepsinの酵素活性測定した結果、前年度と同様にCathepsin Dの酵素活性増加、またCathepsin B並びにLも同様に活性が増加した。 2.神経細胞死への影響 Annexin V/PI染色を行いフローサイトメーターで早期アポトーシスを検討した結果、前年度と同様に、ATP13A2発現抑制によりSH-SY5Y細胞でのみ約30%の早期アポトーシスを認めた。さらに、細胞活性を測定した結果も同様に、コントロールと比較して約30%の活性低下が認められた。これらの結果から、ATP13A2遺伝子変異によるATP13A2分子の機能異常はCathepsin酵素群の活性増加を伴い細胞死を引き起こすことが予想された。また、ATP13A2発現抑制はSH-SY5Y細胞においてのみミトコンドリアにMn-SODの蓄積を認めた。ATP13A2はMnトランスポーターである可能性が報告されている。さらにMn-SODはCathepsin Dの基質であることが知られていることから、ATP13A2発現抑制によるCathepsin群の増加は、基質であるMn-SODの増加が原因である可能性が考えられた。 これらのことから、ATP13A2遺伝子変異パーキンソニズムの原因も他の遺伝子変異患者と同様にミトコンドリア障害による可能性も考えられた。
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Research Products
(4 results)