2009 Fiscal Year Annual Research Report
膵細胞分化におけるFoxO1の役割の解明と、膵β細胞再生の試み
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21790861
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
HYE JIN Kim Gunma University, 生体調節研究所, グローバルCOE研究員 (40466686)
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Keywords | 糖尿病学 / 代謝学 |
Research Abstract |
平成21年度は膵細胞に特異的に恒常的活性型FoxO1を発現するマウスを作成した。恒常的活性型のFoxO1としてはAktによりリン酸化される3カ所のアミノ酸(T24,S253,S318)を全てアラニンに置換し、恒常的に核に局在する変異体(FoxO1-3A)を用いた。さらにFoxO1-3Aを内因性のFoxO1と区別する為に、FoxO1-3Aのアミノ酸末端にFLAG tagを付加した。FLAG-FoxO1-3AをloxP配列にはさまれたPGK-Neo遺伝子とともにROSA26 genomic locusに挿入したマウスをPdx1-Creマウスと交配することにより、全ての膵細胞で恒常的にFoxO1-3Aを発現するマウス(P-FoxO1-3A)が作成できた。実際に、このマウスの膵臓におけるFoxO1-3Aの発現を、FLAG抗体を用いたウエスタンブロットにより確認した。しかしながら、P-FoxO1-3Aマウスを経過観察する過程で、コントロール群に比して体重が有意に増加することを見出した。そこで、脳におけるFoxO1-3Aの発現を検討した所、視床下部において強い発現が確認できた。一方、膵臓においては、β細胞におけるインスリン含量の低下を認めたが、β細胞量はむしろ増加していた。現在、Pdx1-creマウスの脳内での作用部位の詳しい検討と、P-FoxO1-3Aマウスの代謝パラメーター、摂食量、代謝量、体重などの解析を行っている。
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