2009 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティクスによる脂肪細胞分化制御因子PPARγの発現制御機構の研究
Project/Area Number |
21790864
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
脇 裕典 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特任助教 (00466765)
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Keywords | 発生・分化 / 糖尿病 / ゲノム / 転写調節 / クロマチン |
Research Abstract |
目的:本研究では脂肪細胞における分化・遺伝子発現のマスターレギュレーターである転写因子PPARgが脂肪細胞特異的に発現するメカニズムや細胞におけるPPARgの発現ポテンシャルの違いに、エピジェネティクスによるクロマチン制御が果たす役割を解明する。 1、H3K4me3, H3K27me3によるPPARγ発現ポテンシャルの制御機構の検討 PPARgの発現能と脂肪細胞分化能を持つES細胞、骨髄間質細胞、胎児線維芽細胞、3T3-L1/F442A脂肪細胞と、NIH-3T3線維芽細胞、C3H10T1/2おいて、PPARγ1とPPARγ2のプロモータ領域におけるH3K4me3、H3K27me3、H3/4 acetylation, polII bindingを特異抗体によるChIP解析で検討した結果、発生初期段階におけるES細胞、胎児線維芽細胞におけるPPARγ1のプロモーターにおいてH3K4me3陽性,H3K27me3陽性のbivalent markを認めた。また、脂肪細胞分化に伴って、PPARγ1の転写が増加するのと同時期に、転写促進型ヒストン修飾であるH3K4me3は変化しないのに対し、抑制型ヒストン修飾である H3K27me3が減少する事、またH3K27メチル化酵素であるEzh2を含むPolycombコンプレックスの構成因子が減少する事を明らかにした。PolycombコンプレックスやH3K27me3の減少がPPARγの転写調節に与える作用を検討するために、Polycombコンプレックスの因子や、H3K27の脱メチル化酵素であるJmjd3やUtxの過剰発現あるいはsiRNAによりこれらの役割を検討する。 2、ゲノム発現制御領域に特徴的なオープンクロマチン領域を検出するFAIRE(Formalin-assisted Isolation of Regulatory Elements)の系を確立し、次世代シークエンサーを組み合わせたFAIRE-seqを3T3-L1脂肪細胞において施行し、ゲノムワイドにオープンクロマチン領域の同定を行った。またPPARγやRXRαに対するクロマチン免疫沈降ChIP-seqを用いて、これらの因子のゲノム上の結合部位を同定した。脂肪由来の抗糖尿病・抗動脈硬化性アディポカインであるアディポネクチンの受容体AdipoR2近傍など、既存の方法では明らかにされなかった機能的なPPARγ応答領域を同定した。またPPARγ遺伝子の下流に脂
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Research Products
(2 results)