2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790868
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
井上 啓 金沢大学, フロンティアサイエンス機構, 特任准教授 (50397832)
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Keywords | 肝糖新生 / 細胞周期 / Cyclin D1 / STAT3 |
Research Abstract |
肝臓における糖新生は、肝糖新生酵素の遺伝子発現調節により調節される。代表者らは、転写因子STAT3が、肝糖新生系酵素の遺伝子発現調節に重要であることを明らかにしてきた。食事摂取に伴い、肝臓STAT3は活性化され、肝糖新生酵素の遺伝子発現を抑制する。一方で、肝臓STAT3は細胞周期調節分子Cyclin D1の遺伝子発現を誘導し、肝細胞増殖を調節する。Cyclin D1は、細胞周期調節のみならず、肝糖代謝に関連する転写因子であるPPARやC/EBPの転写活性を制御することが知れている。本研究計画では、Cyclin D1の肝糖代謝調節における役割を明らかにすることを目的としている。 H21年度に、肝臓Cyclin D1の遺伝子発現および蛋白発現が、絶食に伴い減少し、食事摂取後に増加することを見出し、H4IIE培養肝細胞を用いた肝糖新生酵素プロモーター活性解析では、Cyclin D1の遺伝子導入により肝糖新生酵素遺伝子発現プロモーター活性が、減少することを明らかにしている。本年度には、Cyclin D1が細胞周期調節作用と関連するCDK4活性制御とは異なるメカニズムにより、肝糖新生酵素発現を制御する可能性を見出している。また、本年度は、H21年度に作成したCyclin D1の第2-3エクソンをLoxP配列で挟んだCyclin D1 floxマウスを肝臓特異的Cre組み換え酵素発現マウスと交配し、肝臓特異的Cyclin D1欠損マウス作成し、解析をおこなった。肝臓特異的Cyclin D1欠損マウスでは、メンデルの法則どおりに出生し、また肝臓組織像も正常であった。
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Research Products
(5 results)