2009 Fiscal Year Annual Research Report
末梢体内時計の生理的・臨床的意義の解明と制御法の開発
Project/Area Number |
21790880
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
安藤 仁 Jichi Medical University, 医学部, 准教授 (50382875)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 体内時計 / 時計遺伝子 / 2型糖尿病 |
Research Abstract |
細胞内体内時計の障害は2型糖尿病を初めとする生活習慣病の発症をもたらす。糖・脂質代謝を担う中心的臓器である肝の体内時計は、摂食や薬物の影響をうけやすく、中枢のマスタークロック以上に代謝を制御している可能性がある。本研究は、肝特異的に体内時計を障害した遺伝子改変マウスを作製、解析することにより、肝の体内時計の生理的・臨床的意義を解明するとともに、体内時計機能の減弱した2型糖尿病モデルマウスを用いて末梢体内時計機能を改善する治療法を開発することを目的とした。 まず、Bmall-loxPマウスとアルブミン-Creマウスを交配させ、肝特異的Bmallコンディショナルノックアウトマウスを作製した。現在、このマウスの代謝状態を解析中である。 また、肥満2型糖尿病モデルであるob/obマウスの解析を行い、(1)このマウスでは、視交叉上核のマスタークロックには異常を認めないが、末梢組織(肝、腹腔内脂肪組織)の体内時計には顕著な障害を認めること、この末梢体内時計障害は、(2)低カロリー食を4週間負荷し代謝異常を軽減させても改善しないこと、(3)レプチンを1週間腹腔内投与すると改善すること、(4)代謝異常が出現する前の3週齢から認められることを明らかにした。これらのことは、ob/obマウスの末梢時計障害が代謝異常の結果ではなく、原因であることを示唆する。ひき続き、このモデルを用いて、体内時計障害を改善することが期待される治療法を検討する予定である。 本研究の成果は、生活リズムが乱れがちな現代人の体内時計を整えることで生活習慣病を予防・治療するというまったく新しい生活習慣病対策法の開発につながることが期待できる。
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Research Products
(5 results)