2009 Fiscal Year Annual Research Report
グルココルチコイド応答性遺伝子発現のHEXIM1を介した組織特異的制御機構の解析
Project/Area Number |
21790888
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 宣明 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特任研究員 (30396890)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / 細胞・組織 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
【背景・目的】我々はこれまでに、核タンパク質HEXIM1が2つの全く異なる機構を介してグルココルチコイド応答性遺伝子発現を抑制することをin vitroで示してきた。すなわち、1.転写制御領域へのGRリクルートメントを抑制する。2.転写伸長因子P-TEFbの活性を抑制する。本年度は、in vivoにおいてHEXIM1がグルココルチコイド応答性遺伝子発現に与える影響を解析した。【方法・結果】心筋特異的に野生型HEXIM1または、P-TEFb活性を抑制しないがGRリクルートメントを抑制する変異型HEXIM1(150-158A)、を発現するトランスジェニック(TG)マウスを作成し、心臓から抽出したmRNAのデキサメタゾン(DEX)腹腔内注射依存的な発現変化をDNAマイクロアレイで解析した。解析に適当な発現量が観察された12,351遺伝子のうち、コントロールマウスでDEXによって2倍以上mRNA発現が上昇する遺伝子は444遺伝子あった。この444遺伝子のうち約79%の352遺伝子は野生型HEXIM1、150-158AいずれのTGマウスにおいてもDEXによる発現上昇が減弱されていたが、約9.7%の43遺伝子は野生型HEXIM1でのみ減弱され、約3.8%の17遺伝子はどちらのTGマウスでも減弱されなかった。【考案・結論】HEXIM1はin vivoにおいても、大部分の遺伝子のグルココルチコイド応答性発現活性化を減弱させることが確認された。また、標的遺伝子によってHEXIM1を介する2つの抑制機構の寄与が異なっていることが示唆された。
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