2010 Fiscal Year Annual Research Report
ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬のミネラルコルチコイド受容体拮抗作用に関する検討
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21790897
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
栗原 勲 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90338038)
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Keywords | ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬 / ミネラルコルチコイド受容体 |
Research Abstract |
前年度の検討で、ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬にミネラルコルチコイド受容体(以下MRと略す)拮抗作用があること、また他のステロイドホルモン受容体にも様々な程度で拮抗作用を示すことを見出した。さらにMR拮抗メカニズムが従来のMR拮抗薬と異なり、両者の併用が相加効果を持つことも確認した。今年度の課題は、このような作用がin vivoにおいてもみられるか否かを検討することであり、動物モデルの確立に難渋したため、原発性アルドステロン症患者の臨床データを中心に、ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬が生体においてもMR拮抗作用を呈するかの検証を行った。詳細な検討により、高用量のジヒドロピリジン系Ca拮抗薬を投与した際には、Ca拮抗薬の種類により多少程度の差はあるものの、いずれもMR拮抗作用を示すことを確認した。さらに、そのMR拮抗作用の程度は、in vitroのデータとほぼ相関し、前年度で確認したin vitroの実験結果が、in vivoにも適用可能であると結論した。原発性アルドステロン症の降圧コントロールにおいて、MR拮抗薬が有効であるのはいうまでもないが、経験的にジヒドロピリジン系Ca拮抗薬も有効性が高いことはすでに知られていて、この理論背景を実証したという点で、本研究の意義は非常に高い。また、各薬剤で、MR拮抗作用の程度に違いがあることから、MR作用過剰を呈する病態において、どのCa拮抗薬を選ぶべきか、新たなカテゴリー分類の確立にも貢献可能と考えている。
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Research Products
(4 results)