2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規受容体の同定によるデスアシルグレリンの作用機序及び生理的意義の解明
Project/Area Number |
21790901
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
森 美和 National Cardiovascular Center Research Institute, 生化学部, 流動研究員 (50363148)
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Keywords | グレリン / デスアシルグレリン / 受容体 / 内分泌 |
Research Abstract |
グレリンは、成長ホルモン分泌促進因子受容体(GHS-R)の内因性リガンドであり、成長ホルレモン分泌促進作用に加え摂食充進作用を有するペプチドホルモンである。グレリンによるGHS-Rの活性化と生理作用の発現には、N末端から3番目のセリン残基における脂肪酸修飾が必須であるため、脂肪酸修飾のないデスアシルグレリンは不活性型と考えられてきた。しかしながら、近年、デスアシルグレリンによる心筋細胞等へのアポトーシス抑制作用、前立腺癌細胞に対する増殖抑制作用及び脂肪細胞からのグリセロール放出抑制作用に加え、GHS-Rノックアウトマウスへの中枢投与実験によってデスアシルグレリン特異的な摂食充進作用が観察されたため、GHS-Rとは異なる未知の受容体を介して生理作用を発揮していることが強く示唆されている。そこで本研究では、デスアシルグレリンの受容体を同定し、機能解析を行うことによってデスアシルグレリンとその受容体の生理的意義を確立することを目的としている。 本年度は、まずデスアシルグレリン受容体を同定するため、その作用が報告されているいくつかの培養細胞を用いて、デスアシルグレリンによりどのような細胞内シグナル伝達系が作動しているか検討した。リガンド添加前後の細胞形態変化を測定し、受容体応答やシグナル伝達を解析するCellKeyシステムを用いることにより、デスアシルグレリンに反応する細胞を見出した。これまでの報告により、デスアシルグレリン受容体がGPCRである可能性が強く示唆されているため、セカンドメッセンジャーである細胞内Ca^<2+>やcAMPの変動を現在、詳細に解析している。
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