2009 Fiscal Year Annual Research Report
Spred-1の機能に着目した造血幹細胞及び白血病幹細胞ニッチの解析
Project/Area Number |
21790910
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田所 優子 Kanazawa University, がん研究所, 助教 (00447343)
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Keywords | 幹細胞 / 白血病幹細胞 / 幹細胞ニッチ / がん |
Research Abstract |
本研究は、未だ明らかにされていない白血病幹細胞ニッチを理解するために、Spred-1欠損造血幹細胞を用いて白血病幹細胞ニッチについて解析することを目的としている。平成21年度は急性骨髄性白血病をモデルとしてこれら幹細胞の競合的移植解析を行なった。 まず、造血幹細胞を起源として急性骨髄性白血病を発症するマウスを作製することを試みた。造血幹細胞が高頻度に含まれる正常マウスのCD34-KSL細胞を採取し、この細胞にHoxA9-Meis1を強制発現させ、これら細胞とSpred-1欠損あるいは野生型骨髄細胞を競合移植した。その結果、野生型骨髄細胞を移植したマウスに比べSpred-1欠損骨髄細胞を移植したマウスで急性骨髄性白血病発症の遅延や白血病細胞の末梢血細胞数・骨髄内キメリズムの上昇を一時的に抑えているマウスが観察されたが、有意な差を見出すことは出来なかった。続いて急性骨髄性白血病を発症したマウス骨髄から白血病幹細胞が含まれていると考えられるc-Kit陽性細胞を採取し、Spred-1欠損あるいは野生型骨髄細胞と共に様々な細胞数で競合移植を行なった。この実験においても、一次移植の時と同じく発症の遅延や白血病細胞の末梢血細胞数・骨髄内キメリズムの上昇を一時的に抑えているマウスが観察されたが、有意な差を見出すことは出来なかった。原因として、急性骨髄性白血病を発症したマウスにおいて血液の症状を抑制しても肺や脾臓への白血病細胞の浸潤が激しく、マウス個体が持ちこたえることができなくなっていることが考えられた。現在は、より白血病幹細胞モデルが確立している慢性骨髄性白血病マウスモデルを用いて解析を進めている。
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