2009 Fiscal Year Annual Research Report
難治性白血病におけるマイクロRNAを介した分子病態の解明及び新たな治療戦略の探索
Project/Area Number |
21790911
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小埜 良一 Mie University, 大学院・医学系研究科, 講師 (40422414)
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Keywords | MLL / 白血病 / micro RNA |
Research Abstract |
まず、MLL-ENLとEstrogen Recep tor α鎖の融合蛋白MLL-ENL-ERによって、マウスの造血前駆細胞を、IL-3及びタモキシフェン存在下に不死化し、既に樹立していた細胞株MERを用いて、定常状態及びタモキシフェン非存在下におけるMLL-ENLの機能低下状態における細胞の性状を解析すると共に、total RNAを抽出した。先に同様な系を用いて報告されている、増殖能の低下、既知の下流遺伝子の発現レベルの低下等の変化が、今回の実験系でもほぼ同等に出現することが確認できた。次に抽出したtotal RNAを、mirVana^<TM> miRNA Bioarraysによるアレイ解析を行い、マイクロRNA(miRNA)の発現レベルの比較検討を行った。その結果、従来報告されていない3種類のmiRNAの発現レベルが変化していることを見出した。これらのmiRNAは、TaqMan[○!R] MicroRNA Assaysを用いても、有意な変化をしていることを確認した。さらに、MLL-ENLやMLL-SEPT6、あるいはMLL融合蛋白の下流の重要分子HOXA9によって不死化した細胞株と、IL-3依存性に増殖するBa/F3細胞株における発現レベルも検討し、興味深い違いが認められた。こうした結果を踏まえ、これらのmiRNAの強制発現による影響を検討するため、レトロウイルスで導入する系の確立を行っている。一方、逆に発現抑制による影響も検討する必要があり、Amaxa社のNucleofectorを用いて、LNAオリゴヌクレオチドを導入する系の準備や予備的検討にも着手している。
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Research Products
(5 results)