2009 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞特異的S76遺伝子の機能解析と相互作用分子の同定・造血支持能の解析
Project/Area Number |
21790928
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
峯畑 健一 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (50362538)
|
Keywords | 造血幹細胞 / ニッチェ / ストローマ細胞 / 骨髄 / 造血支持能 |
Research Abstract |
造血幹細胞(HSCs)としての性質(自己複製能と多分化能)の維持には造血支持細胞が深く関与しており、骨髄内にそれらの細胞で構成される造血幹細胞ニッチェが存在することが知られてしる。以前我々は、HSCsと血管・血液共通前駆細胞(Hemangioblast)とのサブトラクション法により骨髄再構築能の有無に関与する遺伝子のスクリーニングを行った。このスクリーニングにより膜蛋白質をコードする新規遺伝子、S76遺伝子を同定した。本研究では、造血幹細胞と造血幹細胞ニッチェに重要な役割を持つ可能性があるS76遺伝子の解析を通して、これらの二つの細胞の相互作用を明らかとしていくことを目的としている。 申請者はS76タンパク質と相互作用する分子を同定するために、COS7細胞でFlagタグしたS76タンパク質を作製した。次に、造血支持能力が高いことで知られているOP9ストローマ細胞のライセートと混合することでS76タンパク質に相互作用させ、抗Flag抗体を用いて免疫沈降を行った。その結果、S76タンパク質と特異的に相互作用する分子を二つ同定した。質量分析装置を用いて解析を行ったところ、Calnexinおよび、GRP78タンパク質であることがわかった。現在これらのタンパク質と実際に相互作用するかを検討しているところである。 次に、in vivoにおけるS76遺伝子の機能を解析するために、S76コンディショナルノックアウトマウスの作成を行っている。2種類のターゲティングベクターを作製し、ES細胞での組み換えに成功した。このうち一つのES細胞で、キメラマウスの作成を行い、Germ line transmissionに成功している。現在は、Flpトランスジェニックマウスとの掛け合わせにより、薬剤耐性遺伝子を抜いたマウスを得ることができている。今後は、Tie2-Creトランスジェニックマウス、Mxl-Creトランスジェニックマウスと掛け合わせすることで、ホモマウスを作出し、その表現系を解析する予定である。
|