2009 Fiscal Year Annual Research Report
膠原病の遺伝素因におけるIRFファミリー遺伝子群の包括的関連研究
Project/Area Number |
21790935
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川崎 綾 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 研究員 (30532816)
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Keywords | 膠原病 / IRF / 関連研究 / 遺伝子 / SNP / インターフェロン |
Research Abstract |
IRFファミリー遺伝子、および、IRF関連遺伝子(TLR7、TNIP1、TNFAIP3)について、SLEとの関連を検討し、有意な関連を見出した。 1.IRF7、IRF2とSLE IRF7は、I型インターフェロン(IFN)の産生に必須であり、SLEへの関与が強く示唆される。IRF7の機能的重要性を考慮し、IRF7遺伝子領域(約4kb)のリシークエンシングを行った。多数のSNPに加え、30塩基の挿入欠失多型を検出したが、挿入欠失多型とSLEの有意な関連は、認められなかった。I型IFNシグナルにおいて抑制的に働くIRF2においては、イントロンに位置するSNPとSLEの関連が検出された。 2.TLR7とSLE TLR7/9からのシグナルにより、IRF7の活性化がおこり、I型IFN産生が誘導される。TLR7は、SLE発症への寄与が示唆されている。東アジア人集団でSLEとの関連の認められたTLR7遺伝子について、日本人集団における関連を検討したところ、3'非翻訳領域のSNP rs3853839とSLEの関連が、日本人集団において確認され、さらにイントロンに位置するSNPとの関連も検出された。 3.TNIP1、TNFAIP3とSLE GENEVARデータベースを用いた発現解析により、SLE疾患感受性遺伝子であるIRF5のmRNA発現がTNIP1発現と相関を示すことを見出した。TNIP1は、SLEのゲノムワイド関連研究において関連が報告されており、日本人SLEにおける関連を検討したところ、rs7708392 SNPが有意な関連を示した。さらに、SLE感受性遺伝子の1つであり、TNIP1との結合が報告されている、TNFAIP3についても、翻訳領域に位置するrs2230926 (Phe127Cys)が日本人SLEと関連することを見出した。
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