2010 Fiscal Year Annual Research Report
誘導性IL-21産生T細胞/濾胞ヘルパーT細胞の分化制御機構の解明
Project/Area Number |
21790939
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
須藤 明 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (50447306)
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Keywords | IL-21 / 濾胞ヘルパーT細胞 / BTLA |
Research Abstract |
IL-21は、T細胞依存的な抗体産生に重要な役割を果たしている濾胞ヘルパーT細胞(Tfh細胞)から産生され、その自己増殖因子として機能する。そしてTfh細胞は副刺激分子である、ICOS、PD-1、BTLAなどを高発現する。本研究者らはBTLA欠損マウスでは自己抗体の産生が亢進し、シェーグレン症候群様の病態を呈することを報告した。この事より、Tfh細胞に発現するBTLAが自己免疫疾患の発症制御に関与している可能性が推測された。そこでTfh細胞の分化制御機構、IL-21産生機構、及び抗体産生制御におけるBTLAの役割を解明することを本研究の目的とした。まず、BTLA欠損マウスおよび野生型マウスを免疫し、脾臓におけるTfh細胞の分化を比較した。その結果、BTLA欠損マウスにおいてTfh細胞数は野生型と同等であったが、胚中心B細胞数が増加していた。次に、BTLA欠損Tfh細胞が胚中心B細胞の増加を誘導するか否かを検討するために、BTLA欠損CD4陽性T細胞をin vitroでTfh細胞分化誘導条件(抗原提示細胞、IL-6、抗IL-4抗体、および抗IFN-γ抗体)で培養し(BTLA欠損Tfh様細胞)、野生型マウスに移入した。その結果、BTLA欠損Tfh様細胞は野生型Tfh様細胞と比較して、胚中心B細胞数の増加と、抗原特異的IgG2の産生を増強することが明らかとなった。そこで、BTLA欠損Tfh様細胞のサイトカイン産生を検討したところ、IL-21の産生が増強していた。この結果、BTLAはTfh様細胞によるIL-21産生を抑制していることが明らかとなった。さらに、IL-21受容体欠損マウスをレシピエントとして細胞移入実験を行ったところ、抗原特異的IgG産生はおこらなかった。以上より、BTLAはTfh細胞からのIL-21産生を抑制し、IL-21依存性の液性免疫を抑制していることを明らかとした。
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Research Products
(5 results)