2009 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチの病態におけるmicroRNAの役割の解明と治療応用の検討
Project/Area Number |
21790944
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
溝口 史高 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60510360)
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Keywords | 関節リウマチ / 滑膜線維芽細胞 / microRNA |
Research Abstract |
microRNA(miRNA)は遺伝子発現を主に翻訳レベルで抑制することにより様々な生理的・病的状態において重要な役割を担っている。本研究では関節リウマチの病態に関与するmiRNAを同定し、miRNAを標的とした治療応用の可能性を明らかにすることを目的に、下記検討を行った。 (1)関節リウマチの病態に関与するmiRNAのスクリーニング 関節リウマチの主病態である、滑膜線維芽細胞の増殖・炎症を担うmiRNAを同定するため、関節リウマチ患者由来の滑膜線維芽細胞に対し、470種類の合成miRNA阻害剤を導入し、TNFαの刺激による細胞増殖やIL-6, MMP-3産生に変化を来すmiRNAを網羅的に検索した。その結果、細胞増殖やIL-6・MMP-3産生を抑制・もしくは亢進させるmiRNA阻害剤が複数認められた。 (2)同定したmiRNAの再現性検討と発現解析 上記スクリーニングにて同定したmiRNAの治療標的としての妥当性を明らかにするため、更に複数の患者由来の滑膜線維芽細胞でも検討を行い、再現性の得られた10種類のmiRNA阻害剤に注目した。しかし、それらのmiRNAの滑膜線維芽細胞における発現を検討したところ、いずれのmiRNAも検出感度以下であった。この原因として、使用したmiRNA阻害剤の標的miRNAに対する特異性の低さと阻害効率の低さが問題点として明らがとなった。 (3)改善策 上記問題点を克服するため、miRNA阻害剤の核酸同士をすることにより、miRNAに対する特異性と阻害効率を高めた阻害剤を使用し、再度スクリーニングを進めている。
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