2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄混合キメラにおいてドナーT細胞の制御が自己反応性B細胞に及ぼす影響について
Project/Area Number |
21790950
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
竹内 恵美子 北里大学, 医学部, 助教 (00406935)
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Keywords | 骨髄移植 / 骨髄混合キメラ / MHC拘束 |
Research Abstract |
本研究は、自己免疫疾患のある動物に骨髄混合キメラを導入すると、ドナー骨髄細胞由来のT細胞がTCR/MHC interactionによって自己反応性B細胞を抑制することを証明することを目的としている。SLEのモデルBXSB mouseに骨髄移植を行い、キメラを誘導する実験により、i)遺伝的に正常なマウスの骨髄から発生したB細胞はBXSB mouseの体内環境におかれると何らかの因子により自己反応性になる、ii)正常骨髄から分化した細胞に自己免疫状態を是正する能力がある、iii)それにはTCR/MHCを介したT/B interactionが全てのB細胞との間に保たれていることが必要であり、MHC完全不一致ドナーとのキメラ動物では、T細胞の監視から逃れたドナーの正常B細胞が自己反応性になった場合にこれを除去できず自己抗体を産生する、ということが明らかになった。さらに、MHC完全不一致ドナーとのキメラでは自己抗体の産生が続いていても生命予後がよくなる理由として、iv)MHC完全不一致キメラでは、TCR/MHC interactionがないためIsotype switchingがおこらず自己抗体である抗DNA抗体がIgMのままであること、v)抗DNA-IgMは糸球体に沈着するがIgGのように糸球体係蹄で補体を活性化しないため腎障害が軽度になり生命予後自体は改善することを組織学的手法で明らかにした。また、臨床応用された場合に患者は日常生活で様々な抗原にさらされるので、MHC完全不一致キメラが自己タンパクと相同性がある異種抗原にさらされた場合どのように反応するかを、強制的に自己交叉性抗体の産生を誘導する系で調べたところ、急激に自己抗体力価が上がることがあり、MHC完全不一致キメラには感染などで自己タンパクによく似た外来抗原と接触した場合に新たな自己免疫をおこす潜在的な危険性がある、ということがわかった。
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Research Products
(4 results)