2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト尿中からのヒト腎臓組織幹細胞の単離培養と同細胞の分化・器官形成能の検討
Project/Area Number |
21790966
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
熊谷 直憲 Tohoku University, 病院, 助教 (40400329)
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Keywords | 尿中落下細胞 / 腎疾患 / フローサイトメーター / 腎臓組織幹細胞 / side population cell / 小児 |
Research Abstract |
本研究期間においては、小児腎疾患患者尿より腎臓組織幹細胞が培養可能か可能かどうかの検討を行った。腎臓組織幹細胞の候補として1)CD24陽性CD133陽性Podocalyxin(PDX)陰性細胞、2)CD133陰性CD146陽性細胞3)Side population(SP)細胞を検討した。 尿中落下細胞培養系を用いてIgA腎症、Alport症候群、紫斑病性腎炎等小児腎疾患患者尿より細胞を培養したところ、尿所見のある患児では高率に培養が可能であった。RT-PCR法により培養尿中落下細胞中のCD24、CD133、PDX、CD133、CD146のmRNAの発現を検討した。培養尿中落下細胞中では患児の疾患によらずCD24、CD133、PDX、CD133、CD146のmRNAの発現が認められ、これら分子のそれぞれ陽性、陰性細胞が患児の疾患によらず存在すると考えられた。次に、フローサイトメーター(FCM)を用いて培養尿中落下細胞中よりCD24陽性CD133陽性PDX陰性細胞、CD133陰性CD146陽性細胞の分離培養を試みた。FCMによる解析では、培養尿中落下細胞中には実際にCD24陽性CD133陽性細胞PDX陰性細胞とCD133陰性CD146陽性細胞が存在しており、それぞれ培養が可能であった。また、培養尿中落下細胞中には、Hoechst色素と反応させると色素の濃度が上昇するにつて減少する分画が存在し、同分画の細胞はHoechst色素の存在下でverapamilとともに反応させるとverapamil濃度が上昇するに従い減少した。同分画の細胞はSP細胞であると考えられた。 以上より小児腎疾患患者尿からは腎臓組織幹細胞の培養が可能であると考えられ、現在これらの細胞の分化増殖能の検討を行っている。
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Research Products
(1 results)