2009 Fiscal Year Annual Research Report
慢性移植腎症の病態解明と早期診断を目的としたバイオマーカーの開発
Project/Area Number |
21790971
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 俊明 Niigata University, 医歯学総合病院, 助教 (50419305)
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Keywords | 慢性移植腎症 / マクロファージ / CD163抗原 / 間質線維化 |
Research Abstract |
腎移植の急性期生着率の向上に伴い問題となっている慢性期の移植腎機能障害(慢性移植腎症)の成因として、マクロファージの関与を考え、検討を進めている。 腎生検材料による検討 当院ならびに関連病院にて行った30件の移植腎生検組織を用い、マクロファーシ(Mφ)"浸潤と生検時の組織所見、腎機能を解析したところ、明らかな拒絶症状がなくとも腎移植後経過が長いほど腎機能は低下する傾向があり、組織所見上の尿細管間質の線維化と有意な相関が認められた。また、間質線維化の程度はマクロファージ浸潤度と有意に相関しており、その局在は線維化部(αSMA陽性部)と一致していた。浸潤マクロファーシは、組織修復に関わるM2型活性Mφの特異マーカーであるCD163抗原を表出していた。以上の所見から、慢性移植腎症の進展には、CD163陽性Mφが関与している可能性が示唆され、日本小児腎不全学会で発表した。 尿検体による検討 各種慢性腎疾患患者の尿検体を用いた検討から、尿中の可溶性CD163抗原がELISAシステムにより検出が可能であることを確認しており、さらに腎機能や組織所見との関連を検討している。 今後CAN患者の尿検体を用いて同様の検討を行い、CANの早期発見あるいは進展をモニターするバイオマーカーとしての利用の可能性を検討する予定である。
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Research Products
(1 results)