2011 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー・自己免疫疾患治療開発を目指したIL-18レセプター複合体構造解析
Project/Area Number |
21790979
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
木村 豪 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60422705)
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Keywords | IL-18 / 複合体 / 結晶構造解析 |
Research Abstract |
22年度までの研究では、IL-18/IL-18Rα/IL-18Rβ蛋白複合体結晶でのX線回折実験にて約3.0Aの分解能の反射が得られている。X線解析には回折像から位相差を決定する必要があり、23年度はIL-18セレノメチオニン置換蛋白を含むIL-18/IL-18Rα/IL-18Rβ蛋白複合体での結晶化と回折実験を目標として研究を行った。 通常のIL-18に比べ複合体の結晶化が進まなかったため、結晶性の向上の目的でレセプターに対し(1)アミノ酸変異導入による糖鎖除去を試みた。また、(2)等電点クロマトグラフィーによる蛋白精製を試みた。 (1)IL-18Rβにおいて糖鎖付加部位へのアミノ酸変異導入により糖鎖を1箇所残した蛋白コンストラクトを作成し、バキュロ昆虫細胞発現系にて発現し、精製を行った。得られた蛋白の分子量は均一となったが、発現量が著しく低下し、結晶化実験が困難であることから中断した。 (2)IL-18Rα、IL-18Rβともクロマトフォーカシングによる精製を加え等電点の均一な蛋白分子を精製し、複合体を形成させて結晶化スクリーニングを行った。30μm×300μmの針状の結晶が得られ、筑波Photon FactoryBL 1Aにて回折像実験を行った。1.1A波長での測定で約4Aの回折像を得られたが、セレノメチオニン最大吸収波長での回折像の分解能が低く構造解析には不十分であった。ビームラインの調整の問題があると考えられ、改めて測定する予定である。 本年度の研究により蛋白3者複合体のセレノメチオニン含有蛋白の複合体結晶から低分解能な回折実験データを得た。セレノメチオニン含有蛋白で3.5A以上の回折像が得られると立体構造解析が可能となる。構造解析が終了次第、立体構造に基づいた低分子蛋白機能阻害剤の開発を行う計画である
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