2009 Fiscal Year Annual Research Report
全身性エリテマトーデスのゲノムワイド連鎖解析と疾患遺伝子の同定
Project/Area Number |
21790991
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
北村 明子 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10448318)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / ポジショナルクローニング |
Research Abstract |
全身性エリテマトーデス(SLE)は、罹患頻度が高く、慢性で難治性の経過をとることから、その病態解明は現代医療における最重要課題の一つである。SLEは多因子疾患であり、発症に関連する遺伝的要因の解明を目的として、孤発症例を対象とした大規模な関連解析が国内外で精力的に行われ、MHC, CTLA-4, FCRL3など免疫機能分子の遺伝子多型が疾患感受性に関与することが解明されてきた。しかし、それらの疾患発症への効果は弱く、発症を規定する決定的な遺伝的要因の全貌は未解明である。そこで、本申請では、家族性SLEを対象としたポジショナルクローニング法により、発症に大きく影響する新規疾患遺伝子を同定し、SLEの病態を解明することを研究目標とした。平成21年度は、4名の同胞のうち3名が、SLEを含む自己免疫疾患を発症した血族家系を対象としてホモ接合体マッピングを行い、共通祖先由来の疾患遺伝子変異の同定を試みた。SNPによるホモ接合体マッピングの結果、二つの候補遺伝子座(FSLE-1 : 0.7Mb、FSLE-2 ; 1.1Mb)を同定した。両遺伝子座ともにハプロタイプ解析は劣性遺伝様式に合致し、maximum LOD値はそれぞれ1.7、2.5であった。FSLE-1領域には遺伝子は含まれず、FSLE-2領域には40個の遺伝子が存在していた。現在、FSLE-2領域から候補遺伝子を選別し、直接DNAシークエンス解析による変異検索を遂行中である。
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