2010 Fiscal Year Annual Research Report
全身性エリテマトーデスのゲノムワイド連鎖解析と疾患遺伝子の同定
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21790991
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
北村 明子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10448318)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / ポジショナルクローニング |
Research Abstract |
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多様な臓器に障害を引き起こす全身性自己免疫疾患である。臓器障害の中でも特に腎障害の頻度は高く、進行例では末期腎不全が引き起こされる。罹患頻度が高く、慢性で難治性の経過をとることから、その病態解明と根本的な治療法確立は現代医療における最重要課題の一つである。本研究では、SLEの病態解明を目指して、遺伝学的アプローチにより原因遺伝子を同定することを目的とした。これまでのSLEの疾患遺伝子解析が、孤発例を対象とした大規模な相関解析が主流であったのに対し、本研究では家族症例を対象にポジショナルクローニングを適用し、表現型に大きく影響する疾患遺伝子の同定を目指す。SLEの疾患遺伝子を同定することは、病態機序の解明や新たな治療法の開発につながるだけでなく、免疫システムの恒常性維持機構の解明にもつながる可能性があり意義がある。(結果1)血族家系に発症したSLEのホモ接合体マッピング初年度に、4名の同胞のうち3名が、SLEを含む自己免疫疾患を発症した血族家系を対象としてホモ接合体マッピングを行い、二つの候補遺伝子座(FSLE-1:0.7Mb、FSLE-2;1.1Mb)を同定した。ヒトゲノム情報のデータベースを用いて、候補領域内に存在する候補遺伝子を選別したところ、FSLE-1領域には遺伝子は含まれず、FSLE-2領域には40個の遺伝子が存在していた。これらの遺伝子について、Sanger法を用いて変異検索を遂行中である。今後、FSLE-2領域についてはCapture-resequencingを行う予定である。(結果2)家族集積性を示すSLEのポジショナルクローニング家族集積性を示すSLEの家系を収集し、全ゲノム解析を行い遺伝的要因をできうるかぎり明瞭化することを目標とする。本年後は、家系の調査及び検体収集を行った。
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