2009 Fiscal Year Annual Research Report
アデノAAVハイブリッドベクターを用いた造血幹細胞系のBTK遺伝子修復研究
Project/Area Number |
21790996
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
落合 正行 Kyushu University, 医学研究院, 助教 (90507782)
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Keywords | 移植・再生医療 / 遺伝子 / ウイルス |
Research Abstract |
原発性免疫不全症候群の代表的疾患であるBruton型無ガンマグロブリン血症(XLA)は、X染色体長腕上に存在するBruton Tyrosin Kinaseの変異が原因である。ヘルパー依存型アデノ・アデノ関連ウイルス(AAV)ハイブリッドベクター(HD-Ad.AAV.ベクター)は、造血幹細胞(HSC)での高い感染効率を示し、大きな遺伝子の搭載が可能なヘルパー依存型アデノウイルスベクターと、相同組み換えにより目的遺伝子座領域での組み込み(ターゲティング)による修復をおこし、長期間安定した遺伝子発現が可能なAAVベクターの両者の長所を兼ね備えている。また、この疾患はHSCの一部で変異遺伝子の修復が行われ、かつ増殖優位性が獲得されれば治療に結び付く可能性がある。XLAの遺伝子治療を目的に、BTK遺伝子のエクソン6から19とその隣接遺伝子TIMM8Aを含むゲノム領域、およびEGFPとHygromycin(Hyg)耐性遺伝子を搭載したHD-Ad.AAV.ベクターを作製し、造血幹細胞系でのBTK遺伝子修研究を行った。 同ベクターをヒート男性preB-ALL細胞株であるNalm6に感染させHygによるクローニングを行った。MOI4000で感染させたNalm6からHyg耐性株61株(0.63%)を得た。PCR法によりスクリーニングを行い、サザンブロッティング法により、7株(0.073%)で相同組換えを証明した。全ての相同組換え株は、BTK翻訳領域のmRNA発現量は野生株と同様であり、シークエンスでベクター由来の配列が挿入されていないこと、またRT-PCR法で翻訳領域の配列が正常であることを確認した。ウェスタンブロッティング法で野生株と同等のBTK蛋白発現を認めた。同ベクターをヒト臍帯血CD34陽性細胞に感染させ10%程度の一過性GFP性細を認めた。コロニーアッセイでHyg耐性GFP陽性コロニーを樹立し、PCR法によりベクター遺伝子の導入を確認した。
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Research Products
(1 results)