2011 Fiscal Year Annual Research Report
再発小児白血病におけるサイトカイン発現特異性の解明と早期予知法の開発
Project/Area Number |
21790997
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 友紀 九州大学, 大学病院, 助教 (60398071)
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Keywords | 小児がん / 白血病 / 分子遺伝学 / 小児科学 |
Research Abstract |
小児白血病の治療成績の向上は、臨床および生物学的予後因子の抽出とそれによる治療の層別化によってもたらされた。しかし、既存のリスク因子の予後予測力は未だ十分とは言い難く、治療不応例や再発例の多くは依然不幸な転帰をとっているのが現状である。本研究では、小児白血病初発時、患者白血病細胞におけるサイトカイン遺伝子発現パターンおよび血清サイトカイン発現の詳細な解析を通じて再発白血病の特性を明らかにし、発現情報に基づいた再発早期予知法を開発する。 《対象》小児白血病患児より初発・再発時に採取した骨髄白血病細胞、NKT細胞、樹状細胞。《方法》実験の再現性と信頼性を高めるために、それぞれの細胞再発検体5人分、非再発検体5人分を混合したものを作成しcDNAマイクロアレイを用いて比較検討。《細胞の分離》白血病細胞は初診時骨髄より採取する。骨髄中に白血病細胞が95%以上占めている場合のみ、リンパ球分離メディウムを用いて分離する。正常末梢血好中球は初診時末梢血より分離。Polymorphoprepにより多核粒粒球浮遊球を採取し、さらにFITC-CD16、Anti-FITCmicrobeadsを用いて、CD16陽性細胞をpositive selection。正常末梢血単球は初診時末梢血より分離。LSMで単核球を分離後FITC-CD14、Anti-FITCmicrobeadsを用いてCD14陽性細胞をpositive selection。同様に、NK細胞はCD3にてnegative selection後にCD56陽性細胞をpositive selection、NKT細胞はCD3にてpositive selection後にCD56陽性細胞をpositive selectionすることによりそれぞれの細胞を分離。正常末梢血樹状細胞はLSMにて単核球を分離し、Blood Dendritic Cell Isolation Kitを用いてプロトコールに従ってDCを分離(CD3、CD11b, CD16によるnegative selectionの後CD4によるpositive selection)。分離したDCの純度はLineage抗体(抗CD14、CD19、CD56、TCRa/b抗体と抗HLA-DR抗体)を用いて測定。 今後・・・《cDNAマイクロアレイ》症例が発生した時点で逐次保存を行い、初発(初期治療反応良好・不良)再発の有無で振り分け、マイクロアレイによる解析を予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初発の検体は集まりつつあるが、再発症例が少なくマイクロアレイ施行に耐えうる症例数に達していない。初発.再発検体における芽球、好中球の採取は予定通りに進んでいるが、その他の分画は元々の分画が少ないうえに高い純度が得1にくく、保存に難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度は再発症例でだけでなく、「初期化学療法抵抗例」,も対象として治療反応良好群と非良好群で追加検討を行う。
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