2009 Fiscal Year Annual Research Report
ジストロフィン複合体に着目したデュシェンヌ型筋ジストロフィー症知的障害の分子病態
Project/Area Number |
21791001
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
丹藤 創 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (80423870)
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Keywords | 小児神経学 / デュシェンヌ型筋ジストロフィー / ジストロフィン |
Research Abstract |
1.脳組織形質膜濃縮画分とその可溶化画分の調整 マウス大脳皮質組織を0.3Mショ糖溶液(界面活性剤不含)でホモジナイズし、その遠心上清を、さらに遠心(20000xg)し、沈殿(形質膜濃縮画分を含む)を得た。この沈殿に存在する低分子量型dystrophin蛋白のアイソフォームは、界面活性剤ジギトニン・Triton X-100・ドデシルマルトシド(DDM)に対して異なる可溶化特性を示した。目的とする低分子量型dystrophin蛋白は、ジギトニン不溶性沈殿をDDMで可溶化した画分に濃縮されることが判明した。 2.レクチン親和性の検討 dystrophin蛋白は糖鎖結合型膜蛋白と複合体を形成するものが存在し、その糖鎖は一般にレクチン(小麦胚芽アグルチニン;WGA)に強い親和性を示す。そこでWGAアガロースビーズを用いて糖鎖との親和性を見たところ、目的とする低分子量型dystrophin蛋白はWGA非親和性を示した。 3.免疫沈降法とWB法によるdystrophin蛋白複合体の解析 2.で得た低分子量型dystrophin蛋白含有画分を、独自に作製した抗dystrophin-N末端抗体を用い、免疫沈降とSDS-PAGEにより構成分子を分離した。銀染色像を取得し、質量分析法(TOF-MS)(受託解析)で新規構成分子群を明らかにする予定である。また、既知の複合体構成分子群に対する市販抗体を用いたWB法を行って、dystrophin血蛋白複合体の候補分子を解析中である。
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