2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791007
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮本 憲一 Keio University, 医学部, 助教 (00424185)
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Keywords | ダウン症 / 心奇形 / ノックアウトマウス / ヒト21番染色体 / マウス16番染色体 / tryptophan rich basic protein / zinc finger protein 295 |
Research Abstract |
ダウン症における心奇形は、全体の約50%に発症すると言われ、房室中隔欠損(AVSD)、心室中隔欠損(ASD)、動脈管開存症(PDA)、ファロー四徴症(TOF)など様々な症状が見られる。しかし、21番染色体上には、心臓形成に重要な既知の遺伝子は存在せず、ダウン症における心奇形の原因遺伝子および発症機序は未だ不明である。これまでに報告されたダウン症モデルマウスと心奇形を伴うダウン症患者の情報から、心奇形の発症に決定的な遺伝子は、ヒト21番染色体上のD21S3からZNF295の間の領域に存在している可能性が最有力である。この領域は、マウス16番染色体の一部と相同であり、タンパク質をコードする遺伝子が20個存在する。本年度は、当該領域に含まれる20個の候補遺伝子の中からtryptophan rich basic protein(Wrb)とzinc finger protein 295(Zfp295)の2遺伝子を選択し、ノックアウトマウスプロジェクトによるバイオリソースからノックアウトES細胞を入手した。現在ノックアウトマウスを作製中である。Wrb遺伝子はヒト胎児心臓でも発現が確認されており、メダカを用いたモルフォリノオリゴによるノックダウンの結果、心房や心室の形成異常が報告されている。また、Zfp295遺伝子は当研究室で単離された遺伝子であり、心臓を含む様々な組織で発現していることが確認されている。本研究で作製するこれら遺伝子のノックアウトマウスと心奇形を発症する既存のダウン症モデルマウスとの交配によりダウン症心奇形の原因遺伝子の同定と心奇形発症に至るパスウェイの解明を目指す。
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