2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791007
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮本 憲一 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (00424185)
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Keywords | ダウン症 / 心奇形 / ノックアウトマウス / zinc finger protein 295 / DS-CHD MCR / ダウン症モデルマウス |
Research Abstract |
本研究では、ダウン症に見られる数ある症状の中から患者の40~50%と比較的高い頻度で見られる心奇形に焦点を絞り、発症の原因となっている遺伝子を同定し、その発症メカニズムを明らかにすることを目指した。そのために、それまでの心奇形発症が認められたダウン症部分トリソミー患者およびダウン症モデルマウスの報告を基に、ダウン症心奇形の原因遺伝子を含む可能性が最も高いと考えられる領域をダウン症先天性心奇形最小候補領域DS-CHD MCR (Down syndrome-congenital heart disease minimum candidate region)と名付け、そこに含まれる20個のタンパク質をコードする遺伝子の中からさらに有力と思われる2つの遺伝子、Wrb(tryptophan rich basic protein)とZfp295(Zinc finger protein 295)を選択し、IKMC (International Knockout Mouse Consortium)からノックアウトES細胞を入手した。ところが、その後海外のグループによってダウン症心奇形に関する候補領域がさらに狭められたことによりWrbは心奇形発症の候補領域から外れてしまったため、本年度はZfp295についてのみノックアウトマウスの作製を試みた。ノックアウトマウスの作製は、ES細胞の作製機関であるサンガーセンターの推奨プロトコールに従って行った。その結果、二十数匹のキメラマウスが得られ、中でも特にキメラ率が高い個体4匹については、現在C57BL/6との交配を行っている。今後、F1世代が確立でき次第、部分トリソミーダウン症モデルマウスとの交配によりZfp295のコピー数のみを正常の2コピーに戻して、心奇形を始めとするダウン症様症状の消長を観察する予定である。
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